世界大百科事典(旧版)内の《日本農村社会学原理》の言及
【近隣集団】より
…しかし,彼は現代アメリカではしだいに崩壊し,とくに都市において近隣は単に地理的空間の問題にすぎない場合も生じてきていると指摘している。鈴木栄太郎は日本の農村で〈近隣は組織ある集団として厳に存し,いろいろの機能を有している〉(《日本農村社会学原理》1940)と述べ,この状況は今日でもあまり変わっていないとする。それは一般に〈組〉と呼ばれ,地域的諸行事,共同作業,相互扶助を行う場合の基礎単位として機能しており,近隣を無視しては生活の維持が困難となる。…
【鈴木栄太郎】より
…長崎県壱岐島に生まれ,1922年東京帝国大学文学部を卒業後,岐阜高等農林学校,京城帝大を経て,47年北海道大学教授となる。農村,都市,国民社会,国家をつねに日常の生活過程の現実に即して分析し,日本の農村社会学の方法論を提起した《日本農村社会学原理》(1940),いまだ研究の進んでいなかった都市社会学の体系化を企てた《都市社会学原理》(1957),《国民社会学原理ノート》(遺稿,1970)を残した。いずれも先駆的な業績となったものである。…
※「《日本農村社会学原理》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」