世界大百科事典(旧版)内の《暴力論》の言及
【ソレル】より
…その後,フランスの労働組合運動(サンディカリスム)に取り組み,その理論的指導を行ったために,1892年以降,文筆活動に専念する。彼は,マルクスやプルードンの影響の下に,資本主義打倒の道をフランス労働運動の実践のなかに求めていったが,その理論的集大成が,1908年に公刊された《暴力論》である。そこでは,ブルジョアジーの暴力forceに対抗するには,プロレタリアートの暴力violenceが必要であること,そしてその具体的方法としてゼネストがあることが説かれている。…
【暴力】より
…その限りで,暴力は倫理的でさえありうる。こうした暴力の倫理性を強く主張したのが,G.ソレルの《暴力論》であった。ソレルは,ブルジョアジーが国家機構を通じて行使する力をフォルスforceと呼び,プロレタリアートが革命の際,対抗的に行使する力をビオランスviolenceと呼んで,フォルスの非倫理性に対してビオランスの倫理性を対置した。…
※「《暴力論》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」