《桂川地蔵記》(読み)かつらがわじぞうき

世界大百科事典(旧版)内の《桂川地蔵記》の言及

【風流】より

… その芸態は,趣向をこらした大きな風流傘を中心に,〈九郎判官奥州下向之躰〉〈畠山六郎ユイノ浜合戦人飛礫ノ躰〉〈五条立傾城之躰〉など,人のよく知る物語の一場面や,当時の風俗を仕組んだ作り物,仮装の一団を,笛・太鼓・小鼓などで囃すものであった。また1416年(応永23),洛西桂(かつら)の石地蔵が奇瑞を示したおりには,都人が連日のように風流を仕立てて大挙して参詣(さんけい)したが,そのときのようすを記した《桂川地蔵記》には,〈上宮太子が逆臣守屋を討つところ〉〈頼政の鵼(ぬえ)退治〉〈鴻門(こうもん)の会〉など,古今東西の故事にちなむ趣向60余が列挙されている。《経覚私要鈔(きようがくしようしよう)》《大乗院寺社雑事記》などによれば,奈良では15世紀後半に古市氏など国人衆を中心に盆に大がかりな風流が行われており,そのころから囃子物のまわりに大勢の踊り衆が見られるようになった。…

※「《桂川地蔵記》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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