《民族と平和》(読み)みんぞくとへいわ

世界大百科事典(旧版)内の《民族と平和》の言及

【矢内原事件】より

…矢内原の辞職を阻止しようとする大内兵衛らは長与又郎総長への説得工作に当たり,長与総長も一時は説得に応じたが,その後新たに,矢内原の講演《神の国》における〈……この国を葬って下さい〉の言葉が問題とされるに及んでこの説得も効を奏せず,37年12月1日矢内原は辞職した。辞職の直後に矢内原の著作《民族と平和》(1936)も発禁にされ,翌年東京刑事地方裁判所検事局では出版法違反の起訴をねらって矢内原らを取り調べた。内務省が発禁処分をおこない,学内外の右翼が攻撃して矢内原を辞職させ,司法処分で追打ちをかけるという,学問と思想の自由を侵害する連係活動は,この後の河合事件,津田左右吉事件にも見られるものであった。…

※「《民族と平和》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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