《激怒》(読み)げきど

世界大百科事典(旧版)内の《激怒》の言及

【ラング】より

…にもかかわらず,ヒトラーとともに《ニーベルンゲン》を激賞するゲッベルスに,宣伝省映画局長への就任を懇望されたラングは,ユダヤ人である自分を利用しようとする魂胆を察知してフランスへのがれ,《リリオム》(1933)をつくったのちアメリカへ渡った。 35年,ドイツ人亡命者として市民権をあたえられ,アメリカ民主主義の汚点である私刑(リンチ)の問題を中心に,アメリカ社会の矛盾や非情さを告発した三部作,《激怒》(1936),《暗黒街の弾痕》(1937),《真人間》(1938)をはじめ,西部劇(《地獄への逆襲》1940,《西部魂》1941,《無頼の谷》1952)やスリラー(《死刑執行人もまた死す》1942,《飾窓の女》1944,《外套と短剣》1946,《復讐は俺に任せろ》1953,等々)をふくめて《口紅殺人事件》(1956)にいたるまで,しばしば〈妥協〉をしいられながらも20本あまりの映画を撮って,〈亡命映画人〉としてハリウッドに足跡を残した。58年にヨーロッパへもどり,第1部《王城の掟》と第2部《情炎の砂漠》からなる二部作の冒険スペクタクル《大いなる神秘》(1959)を撮るが,それにつづく西独・仏・伊合作映画《怪人マブゼ博士》(1960)が最後の監督作品となった。…

※「《激怒》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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