《無関心な人びと》(読み)むかんしんなひとびと

世界大百科事典(旧版)内の《無関心な人びと》の言及

【ネオレアリズモ】より


【文学】
 字義通りには〈新しいリアリズム〉を意味するイタリア語で,文学史的にはふつう,反ファシズム闘争を題材にした第2次大戦後のイタリア文学を総称していう。ただし,ファシズム政権に不従順な小説を発表したことからモラビアの《無関心な人びと》(1929)に,また,労働者の反権力意識の目ざめを描いたことからベルナーリCarlo Bernari(1909‐92)の《三人の工員》(1934)に,ネオレアリズモの起源を求めようとする批評家もいる。また戦後におびただしい数の反ファシズム闘争体験談が出版され,これらを一括してネオレアリズモと呼ぶ向きもある。…

【反ファシズム】より

…徹底した独裁体制のもとで,志ある作家は検閲→執筆禁止→逮捕・流刑もしくは亡命を余儀なくされた。そのような状況下で無名の作家モラビアの《無関心な人びと》(1929)はファシズム治下のブルジョアの生態を仮借なく描き出したため没収となり,またアルバーロが南部農民の貧困を見すえた《アスプロモンテの人びと》(1930)はネオレアリズモの地方主義の先駆をなした。ゴベッティの雑誌《バレッティ》の後を継ぐ《ソラーリアSolaria》誌にビットリーニが厳しい検閲をうけつつ《赤いカーネーション》を発表(1933‐36),ビットリーニは同時にプラトリーニ,ビレンキとともにフィレンツェのファシズム機関誌《バルジェーロ》誌上で初期ファシズムの反ブルジョアの方向を強く主張した。…

※「《無関心な人びと》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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