《産論》(読み)さんろん

世界大百科事典(旧版)内の《産論》の言及

【賀川玄悦】より

…その師承・学統は不明であるが,古医方派の医学を学んだものと思われる。薬物療法の及ばない難産に鉄鉤を用いる手術療法を導入して母体を救い,1765年(明和2)66歳のとき,それまでの多くの妊婦についての長年にわたる臨床研究をふまえた独創的な自説を皆川淇園が文章化した《子玄子産論》(単に《産論》ともいわれる)を刊行して日本近代産科学の基礎をきずいた。玄悦の業績として,按腹・触診による経験的・実証的観察から帰納した正常胎位(胎児が頭を下にし,背を前にむけて位置していること)の発見,手術的療法(回生術)の導入,産事習俗の旧弊打破(産婦が産後の一定期間跪座する風習があったが,疲労を増すばかりでよくないとしてこれを禁止し,また妊婦の腹帯も害があるとして廃止を訴えた)等がある。…

※「《産論》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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