世界大百科事典(旧版)内の《磁石論》の言及
【ギルバート】より
…1558年ケンブリッジ大学入学,69年医学博士号取得後は,医師として生計を立て,1600年には王立医師会の会長に選ばれるとともにエリザベス女王の侍医となった。そのかたわら,自然科学の研究,とくに磁石の研究に興味をもち,その研究成果を《磁石論De magnete magnetisque corporibus》(1600)に著した。この中で彼は,現象記述,先人意見の批判検討,そして実験という方法論を立て〈くだらない想像〉を退け,電気と磁気とが区別されること,二つの磁石をくっつけると強さが増すこと,地球は大磁石で磁極をもち,磁針はこの地磁気によって指向されることなどを報告している。…
【磁気】より
… このような迷信を一つ一つ実験によって反証し,磁気現象を自然科学の対象にしたのはW.ギルバートである。彼はその研究の成果を《磁石論》(1600)という本にまとめた。その中で彼は,同じような引き合う現象でも磁気と電気によるものでは異なることを明らかにし,また地磁気の伏角が,磁化した球状天然磁石のまわりにおいた磁針の向きで説明されることを示した。…
【磁石】より
…こうした伝統のうえに立って,磁石に関して重要な貢献をしたのがW.ギルバートである。ギルバートの《磁石論》は,一方に,きわめて多様な実験を行うと同時に,もう一方で,ルネサンス期特有の新プラトン主義流のアニミズムや神秘主義を強く意識した著作である。ギルバートは,磁気と電気とは異なることを明白に述べている。…
※「《磁石論》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」