《神農本草経集注》(読み)しんのうほんぞうきょうしっちゅう

世界大百科事典(旧版)内の《神農本草経集注》の言及

【仙薬】より

…このように《抱朴子》においては,仙薬の効能を説くことはもちろんであるが,その仙薬の精錬の方法,採集の方法などにも呪術的な意味が強調されている点が注目される。続いて梁の陶弘景は《神農本草経集注》を著し,730種の薬物を玉石,草木,虫獣,菓,菜,米食に分類し,時用,産地,およびその薬物の効能によってどのような方術が行えるかを注記している。陶弘景の《本草集注》は,後の薬学(本草学)の基礎を築いたものとして知られており,《抱朴子》に比して,菊花,人参,甘草,朮(じゆつ),枸杞(くこ),茯苓(ぶくりよう)などの草木薬にも注意が払われ,医薬としての色彩が増している点が注目される。…

【本草学】より

…たしかに《神農本草》の文には不老長生などの語句があるが,それに記載されている薬効が当時の薬の使い方をよく反映していることなどから,編纂の主目的が臨床応用にあったことは否定できない。陶弘景の書,とくに彼が自分の知識を注として付加した《神農本草経集注》は隋から唐の初期にかけては,医学生養成のための国家機関で教科書にされ,標準的な薬物書として用いられた。しかし,本草書は実用書であるため,つねに最新の知識が要求され,改訂の必要が生ずる。…

【本草経集注】より

…正しくは《神農本草経集注》といい,《集注本草》とも呼ばれる。500年ころに陶弘景が編纂した中国の本草書(薬物書)である。…

※「《神農本草経集注》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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