《筆法記》(読み)ひっぽうき

世界大百科事典(旧版)内の《筆法記》の言及

【画論】より

…五代,宋代は,郭若虚《図画見聞誌》,鄧椿《画継》が,《歴代名画記》の後をうけ,輝かしい一時期を画した当代の絵画を記述するほか,劉道醇《五代名画補遺》《聖朝名画評》も部門別に品評する。山水画論には荆浩《筆法記》,郭熙《林泉高致》があり,前者は形似に対する真を取り上げ,画とは何かを問い,後者は自然に忠実な〈写真〉主義のうえに,さらに士大夫社会においてあるべき理論の山水を述べる。また蘇軾(そしよく)は文人として詩画一致を説き,米芾(べいふつ)は董源礼賛にみられるように,江南画を主張し,ともにきたるべき文人画の先駆けをなした。…

【荆浩】より

…伝称作品に洪谷子の款を有する《雪景山水図》(ネルソン美術館)があり,山石の気勢表現に弟子の関仝(かんどう)と共通する要素がみられる。また《筆法記》の画論が伝わり,唐・宋変革期の山水画研究の貴重な資料である。【曾布川 寛】。…

【水墨画】より

…水墨という用語は,中唐のはじめ大暦年間(766‐779)の進士で画家でもあった劉商が,松石図について詠んだ詩の中にみられるのが最も古い。唐末五代(10世紀)初めの画家荆浩が《筆法記》において,〈水暈墨章は我が唐代に興る〉というのがその内容であろう。しかし中国では水墨画という用語はきわめてまれで,墨竹など特殊な画風を指す場合が多い。…

※「《筆法記》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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