《素直な悪女》(読み)すなおなあくじょ

世界大百科事典(旧版)内の《素直な悪女》の言及

【バルドー】より

…パリの裕福なブルジョアの娘で,モデルから映画界入り。おしりまるだしの天真らんまんな女,肩から背中まで垂れた洗いざらしのブロンドの髪をなびかせ,太陽の下に惜しげもなく裸体をさらして裸足で闊歩(かつぽ)する自由奔放な女,妖婦と幼児あるいは背徳と無邪気が背中合せになっている素直な悪女,というベベのイメージをつくり上げたのは,彼女の夫で当時まだまったくの新人監督だったロジェ・バディムRoger Vadim(1928‐ )と新時代の息吹をいち早く感じて〈ヌーベル・バーグ〉を先取りしたプロデューサーのラウール・レビRaoul Lévy(1922‐66)で,マリリン・モンローがブロンドで成功した例にならってブルネットのベベの髪をブロンドに染めさせ,肉体とセックスをカラー・シネマスコープの画面いっぱいに描き出すという冒険を試み,世界中に衝撃を与えた。 〈ベベは演技しない,ベベは存在する〉というバディムの誇らかな宣言どおり,ブリジット・バルドーの登場はフランス映画の〈演技派女優〉の伝統をくつがえし,肉体的存在感こそスクリーンを魅惑するもっとも重要な要素であることを証明することになった(ベベの前に〈全裸女優〉と呼ばれたマルティーヌ・キャロルがいたが,全裸にはなってもやはり〈演技〉は求められ,大根女優よばわりされていた)。…

※「《素直な悪女》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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