《貞節な娼婦》(読み)ていせつなしょうふ

世界大百科事典(旧版)内の《貞節な娼婦》の言及

【デッカー】より

…単独作のなかでは,靴づくりの親方が思わぬ富を得てロンドン市長にまで出世する話を軸に,職人の世界を笑いとペーソスで描いた《靴づくりの祭日》(1600初演)が一大成功作であり,また伝奇的ロマンスと道徳劇的寓意をないまぜにした《老フォーチュネータス》(1599)もユニークな作品といえる。T.ミドルトンとの合作《貞節な娼婦》(第1部1604,第2部1605)はひとりの女の堕落と救いを筋にしくんだ家庭劇的悲喜劇であり,構成の散漫さにもかかわらず,生気に富む性格創造と感傷的ムードによって人気を博した。戯曲以外にも多くの散文の小冊子をものしたが,なかでも疫病の惨状を力強く叙述した《驚異の年》(1603),ロンドンの下層社会に巣食うさまざまな悪を戯画化した《ロンドン七つの大罪》(1606),だて者の生活ぶりを風刺的に描いた《いかれぼんちいろは帳》(1609)などが名高い。…

※「《貞節な娼婦》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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