世界大百科事典(旧版)内の《那智滝図》の言及
【熊野曼荼羅】より
…他方,宮曼荼羅は定型化する反面,那智滝のみを描いたものが生まれた。《那智滝図》(根津美術館)は神体である滝を自然描写する点,すぐれた風景画であるが,同時に滝口に月輪を描くことで,滝が飛滝(ひりよう∥ひろう)権現であることを示す。垂迹美術【川村 知行】。…
【那智滝】より
…歌枕でもあり,西行は〈雲消ゆる那智の高嶺に月たけて光をぬける滝の白糸〉(《山家集》)と詠んでいる。巨勢金岡筆という伝えのある《那智滝図》(根津美術館蔵,国宝)は著名。なお那智四十八滝は,曾以(そい)の滝,波津以(はつい)の滝など各々に名があるが,一ノ滝の下流にある曾以の滝は,高雄の文覚が三七日(21日間)の滝修行をした滝として,文覚の滝ともいわれる。…
※「《那智滝図》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」