《非政治的人間の考察》(読み)ひせいじてきにんげんのこうさつ

世界大百科事典(旧版)内の《非政治的人間の考察》の言及

【マン】より

… 14年第1次大戦が勃発するとマンはドイツ的,国民的立場から帝政ドイツを擁護して,知識人にみられた反帝政的平和主義の傾向に批判的な立場をとった。そのため,ヨーロッパ的,普遍的立場に立つ兄ハインリヒとのあいだに疎隔対立が生じたが,これを契機に書かれたのが論集《非政治的人間の考察》(1918)である。反帝政派知識人の支持する民主主義体制をドイツに導入することはドイツ文化の浅薄化を招くと判断したトーマスであったが,戦後の混乱のなかでドイツ文化とその基底にある人間愛の精神に危険をもたらすのが,実はワイマール共和国の民主主義体制を敵視する反動的保守層であると洞察したマンは,22年頃から明確に民主主義擁護の立場をとるに至った。…

※「《非政治的人間の考察》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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