《顕昭陳状》(読み)けんしょうちんじょう

世界大百科事典(旧版)内の《顕昭陳状》の言及

【顕昭】より

…1149年(久安5)《山路歌合》に出詠してから1207年に《日本紀歌註》を著すまで59年の歌歴には,多くの歌合に参加し,50歳ころからは判者として重きをなした。藤原俊成の主宰する御子左家(みこひだりけ)の歌学と対抗して,六条家歌学の代表的な論客であったが,顕輔・清輔の死後,《六百番歌合》における俊成の判定に対して抗議した《顕昭陳状》はとくに有名。歌学者としての顕昭には《万葉集時代難事》《詞花集註》《散木集註》《柿本人麿勘文》《拾遺抄註》《袖中抄》《古今集註》《今撰和歌集》など多数の著述があるが,これらの大部分は,顕昭が恩顧をうけた仁和寺の守覚法親王のために撰進したものである。…

【陳状】より

…歌合が文芸主義に傾き,文学評論として発達した平安後期に現れ,《高陽院(かやのいん)歌合》(1094)の経信判に対する筑前のものが現存最古である。鎌倉時代の《六百番歌合》の俊成判に対する顕昭の《顕昭陳状》が古来最も名高く,他に《蓮性陳状》等がある。【竹下 豊】。…

【六百番歌合】より

…俊成判は余情,優艶を重んじ,《源氏物語》尊重を説くなど,歌評の精髄の観があって,歌論史的位置はきわめて高い。顕昭と寂蓮の〈独鈷鎌首(とつこかまくび)の争い〉は有名であるが,顕昭は俊成判を不服として,《顕昭陳状(六百番陳状)》(陳状)で反駁した。【竹下 豊】。…

※「《顕昭陳状》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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