「一杯のかけそば」(読み)イッパイノカケソバ

とっさの日本語便利帳 「「一杯のかけそば」」の解説

「一杯のかけそば」

交通事故父親を失った母子家庭そば屋との交流を描いた、栗良平による短編である。見過ごせば、たんなるアナクロな人情物語でしかなかったのが、ワイドショーや各週刊誌などがこぞってとりあげ、近来まれにみる美談として(おもに四〇代以上の層の)共感を獲得した。しかしその後、実話に基づいているというわりには、実際のモデルが存在しないことが問題になり、さらには作者自身の過去のスキャンダルが暴露されるに至り、別の意味でメディア現象化し、やがてブームは去った。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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