灰汁抜き(読み)アクヌキ

デジタル大辞泉 「灰汁抜き」の意味・読み・例文・類語

あく‐ぬき【灰汁抜き】

[名](スル)野菜などの渋みやえぐみをとること。「ゴボウ灰汁抜きする」

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改訂新版 世界大百科事典 「灰汁抜き」の意味・わかりやすい解説

灰汁抜き (あくぬき)

料理の味をそこなわぬために,材料食品に含まれている苦み,渋み,えぐみなどの癖や不純物を除くこと。ワラビゼンマイなどは灰汁でゆでて水にさらし,たけのこ,ゴボウなどには米ぬか,米のとぎ水,米粒などを用いる。クリやいも類は焼きミョウバンの溶液に浸し,れんこんやウド変色を防ぐには酢水にさらす。ユリ根は酒を使ってゆでるとよく,クリの渋皮,クルミの薄皮,イワタケなどのあく抜きには重曹を加える。魚や鶏肉に熱湯をかけて霜ふるのもあく抜きが目的である。なお灰汁はそれ自体が〈あく〉と呼ばれ,染物助剤に用いられたほか,洗剤としても重要であったため,かつては《守貞漫稿》に見られるような灰買を生業とする人々もあった。
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百科事典マイペディア 「灰汁抜き」の意味・わかりやすい解説

灰汁抜き【あくぬき】

山菜や野菜のもつ余分な渋み,苦み,えぐみを,料理する前に除くこと。あくの原因はおもにアルカリ性塩類,タンニン有機酸である。ワラビ,ゼンマイなどはわら灰を浸した上澄液でゆでて水にさらし,タケノコ,ゴボウなどは米ぬかを加えた水か米のとぎ汁でゆでる。レンコンやウドは酢を少量加えた水にさらす。
→関連項目

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栄養・生化学辞典 「灰汁抜き」の解説

灰汁抜き

 食物として不適当な味や臭いを除く処理.タケノコ,ホウレンソウ,ワラビ,トチの実,など,種々の方法で灰汁抜きして食用とする.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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