あられ(米菓)(読み)あられ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あられ(米菓)」の意味・わかりやすい解説

あられ(米菓)
あられ / 霰

米菓煎餅(せんべい)の一種。霰餅(あられもち)のこと。かき餅に類する菓子だが、あられの場合は本来、餅を賽(さい)の目のような小方形に刻み、炒(い)りつけて食べたので、かき餅より形状の小さなものといえる。関西ではあられも含めてかき餅だが、女房詞(ことば)でやさしく「おかき」ともいう。おかきの語は、現在では東京でも一般化して用いられるようになった。慶長(けいちょう)年間(1596~1615)奈良で創製された霰酒(あられざけ)には、のし餅を細かく刻んで焼酎(しょうちゅう)に漬けては乾燥させてつくった餅あられが使われたといわれる。しかし、それまであられの手法がなかったわけではなく、文明(ぶんめい)年間(1469~1487)の連歌の句に「老松の葉には咲かむや霰餅」の句もある。

 今日的な製法は、糯米(もちごめ)を蒸して搗(つ)き、冷温で固化させたのち切断、乾燥し、いったん焙焼(ばいしょう)してから、しょうゆ、砂糖、塩で味つけ、つや出し後、さらに焙炉(ほいろ)で乾燥させる。製品に、のり巻きあられ、鬼あられ、揚げ餅、柿の種などがある。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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