うんてい

精選版 日本国語大辞典 「うんてい」の意味・読み・例文・類語

うん‐てい【亭】

(「」は書物の虫よけに用いた草の名。「」の略体としての「芸」とは別字) 奈良末期にできた日本最古の図書館石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)旧宅阿閦(あしゅく)寺とし、その中に建てた書庫
続日本紀‐天応元年(781)六日辛亥「寺内一隅、特置外典之院、名曰

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デジタル大辞泉 「うんてい」の意味・読み・例文・類語

うん‐てい【亭】

奈良末期、石上宅嗣いそのかみのやかつぐ平城京付近の旧宅を寺とし、その一隅に設けた日本最古の公開図書館。中国で、書庫を閣・台と称したことからの名。亭院

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「うんてい」の解説


うんてい

亭院とも。奈良末期に文人の大納言石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が設立した外典(げてん)の書庫。設立年代は未詳。「続日本紀」天応元年(781)6月辛亥条によれば,宅嗣は邸宅を阿閦(あしゅく)寺(平城京左京2条3坊9・16町付近と推定)となし,その一隅に亭を設け好学の徒には自由に閲覧を許可したという。亭の条式には,内外両門(仏教儒教)はもとは一体で,内典を助けるために外典を加えるという理念が記される。桓武朝から平城朝に活躍した文章博士(もんじょうはかせ)賀陽豊年(かやのとよとし)は,亭で数年間群書をひろく究めたという。宅嗣の薨伝を収める「続日本紀」巻36が撰進された794年(延暦13)頃には存続していたらしいが,「綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)式」の書かれた828年(天長5)頃にはすでに廃絶していた。日本における公開図書館のはじめとされる。

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普及版 字通 「うんてい」の読み・字形・画数・意味

【耘】うんてい

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