精選版 日本国語大辞典 「えずい」の意味・読み・例文・類語
えず・い
〘形口〙 えず・し 〘形ク〙
① 胸がむかつくほどに不快である。いとわしく気持が悪い。
※史記抄(1477)一七「きたなさうに、えすい色が見へたぞ」
② 面倒である。
※月菴酔醒記(1573‐92頃)上「弓を外返す事中々えずき物なれ共、顕密の二法也」
③ 自分に害を加えそうなもの、強いものなどに対して恐ろしく感じる。こわい。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)五「我が子で問ずことを知ほどな程にと云て、えずう思たぞ。あまりにをそろしいと云て、いやがるぞ」
④ 思いやりがなく扱いが乱暴である。薄情だ。ひどい。
※寛永十年刊本無門関鈔(17C前)下「飯裡に有レ沙、上えにやはらかなやうなが、底がえずいこと也」
⑤ 目にごみがはいったときのような感じである。
※書言字考節用集(1717)九「 エズシ〔字彙〕物入二目中一也」
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