えびす(夷/恵比寿/戎)(読み)えびす

百科事典マイペディア の解説

えびす(夷/恵比寿/戎)【えびす】

(1)〈えみし〉と同語,あるいはその転訛で,古くは異民族の通称。辺境海辺の住民をもさしたが,中世には勇猛な武士の称となり,鎌倉武士を京で東(あずま)夷,荒(あら)夷といった。(2)異郷から漂着,来臨する神。今日では右手に釣ざお,左わきにタイをかかえた狩衣(かりぎぬ)姿の夷三郎に描き,七福神の一つ。もとは漁民の神で,海底の石,漂流物,寄り鯨などを夷としてまつったが,摂津の西宮(にしのみや)神社を本拠とする〈夷かき〉と称する宗教芸能者の人形芝居により各地に普及,商売繁盛の神となった。夷三郎は生後3年たっても足が立たず,そのため海に流された蛭子(ひるこ)神で,西宮神社(戎様)の祭神。→夷講
→関連項目神棚大黒田の神客人

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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