おこづく

精選版 日本国語大辞典 「おこづく」の意味・読み・例文・類語

おこ‐づ・く

〘自カ四〙 (「おこつく」とも)
① 勢いづく。いどんで行く。
※わらんべ草(1660)一「拍手に、うら、おもてあり。はづむと、おこづくと、はぢくと、つくとのちがひあるべし」
② 興奮する。
歌舞伎傾城黄金鱐(1782)五幕「俄にほつねつさかんにして五たいかくのごとくしゃきばりおこづくは」
傷口がずきずき痛む。
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)四「忌中合戦の疵口おこづき、破傷風と云病と成」
舞踊や歌舞伎のしぐさ途中で、つまずくように片膝の力をぬいて、また立ち直るような動作をする。
※舞正語磨(1658)下「扨又、よこに右へ引によって、腰ゆがみておこつく也」
⑤ 物が一杯になって蓋(ふた)などがしまらなくなる意か。
評判記色道大鏡(1678)一五「比の筥(はこ)に蓋(ふた)のおこづくまでに初音一本を入られたり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「おこづく」の意味・読み・例文・類語

おこ‐づ・く

[動カ四]
ひくひく動かす。ぴくつかす。
「鼻のわたり―・きて、語りなす」〈帚木
勢いづく。調子づく。
大石はづんで二つ三つ、どうどうどうと―・きて」〈浄・虎が磨〉
力む。
「さは言へ、とちょっと―・く」〈伎・韓人漢文〉
ずきずき痛む。
「合戦のきず口―・き」〈浄・千本桜

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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