干瓢(読み)カンピョウ

デジタル大辞泉 「干瓢」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぴょう〔‐ペウ〕【干×瓢/乾×瓢】

ユウガオの白い果肉を細長くむき、干した食品すし煮物の具にする。

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改訂新版 世界大百科事典 「干瓢」の意味・わかりやすい解説

干瓢 (かんぴょう)

ユウガオの果肉をテープ状に薄く細長くむいて乾燥したもの。いつごろから作られるようになったかは明らかでないが,《下学集》(1444)あたりから名を見るようになる。《和漢三才図会》(1712)には河内摂津産地として挙げられているが,現在では栃木県主産地である。乳白色で甘い特有の香りがあり,やや厚手で幅のひろいものが良品で,あえ物,汁の実などにするが,とくに煮物がよい。ほかに昆布巻八幡巻,あるいは稲荷ずしなどに結びひもとして使われる。また,コンブ,シイタケと並んで精進だしをとるのにも用いられる。かんぴょうをもどすには,まず軽く水洗いして汚れを落としたあと,塩をふってもみ洗いする。塩を洗い落として熱湯に入れ,ひと煮たちしたらざるにあげて水をきる。もどしたかんぴょうは,干物の約5倍の重量になる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「干瓢」の意味・わかりやすい解説

干瓢
かんぴょう

ウリ科植物ユウガオ (夕顔)の実の果肉を,薄く紐状に削って天日に干した乾燥野菜。水で戻して海苔巻などに用いられる。料理法は精進料理とともに鎌倉時代日本に伝わった。栃木県の特産品で,全国生産の約 90%をまかなっている。

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百科事典マイペディア 「干瓢」の意味・わかりやすい解説

干瓢【かんぴょう】

ユウガオの果肉を細長くむき,乾燥した食品。肉厚で幅広く,乳白色のものが良品とされる。水につけてもどし,甘辛く煮てすしの具などにする。栃木県が主産地。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「干瓢」の解説

干瓢 (カンピョウ)

植物。ウリ科の一年生つる植物,園芸植物,薬用植物。ユウガオの別称

干瓢 (カンピョウ)

植物。ウリ科の夕顔の品種。フクベの別称

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世界大百科事典(旧版)内の干瓢の言及

【ウリ(瓜)】より

…種皮は堅く,野生種では果実が動物に食べられることによって散布される。
[ウリ類の利用]
 果実をそのままサラダ,漬物,煮物などにしたり,ユウガオ(ユウガオの果肉を細長く切って乾燥させたかんぴょう)やメロン,キュウリの果肉を乾燥して食用にするという野菜としての利用と,可食部の80~90%を占める甘い果肉や果汁を賞味する果物としての利用が最も普通である。カボチャ類は,果肉にデンプンや糖が多量に蓄積されるため,アメリカ・インディアンは主食として利用していたが,果肉が主食として利用される例は特異で,他の植物群にはほとんど見られない。…

※「干瓢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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