かつ

精選版 日本国語大辞典 「かつ」の意味・読み・例文・類語

か・つ

〘自タ下二〙
[一] (補助動詞として用いられ、動詞の連用形に付いて) …するに耐える、…することができるの意を表わす。多く未然形には打消助動詞「ず」、終止形には打消の意志推量を表わす助動詞「ましじ」が接続する。→かてに
書紀(720)崇神一〇年九月・歌謡大坂に 継ぎ登れる 石群(いしむら)を 手越(たご)しに越さば 越し介氐(カテ)むかも」
[二] (のちに独立して用いられ) 耐える。
古今(905‐914)恋一・五五〇「あは雪のたまればかてにくだけつつわが物思ひのしげき頃かな〈よみ人しらず〉」
[補注](1)(一)は上代に特有の語。類義語に補助動詞「敢ふ」がある。→かてにがてに
(2)(二)の「古今集」の例について「和(か)てに」(…する一方ではの意)とする説もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「かつ」の意味・読み・例文・類語

か・つ

[動タ下二]
できる。耐える。
淡雪あはゆきのたまれば―・てにくだけつつわが物思ひのしげき頃かな」〈古今・恋一〉
(動詞の連用形に付いて)…できる。…に耐える。
「玉くしげみもろの山のさな葛さ寝ずはつひにあり―・つましじ」〈・九四〉
[補説]否定の助動詞を伴った「かてに」「かてぬ」「かつましじ」の形で用いられることが多い。→かてに

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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