精選版 日本国語大辞典 「きぶい」の意味・読み・例文・類語
きぶ・い
〘形口〙 きぶ・し 〘形ク〙
① 厳格である。また、容赦がない。苛酷である。
※明徳記(1392‐93頃か)下「今程は京方の禰宜神事に随て、庁務もきぶく沙汰仕時分也」
② 緊張している。雰囲気などがぴんと張り詰めている。
※俳諧・毛吹草(1638)五「きふく鳴や鶯にます郭公〈意敬〉」
③ すきまがなくつまっている。間断なく続いている。
※石山寺本大般涅槃経平安中期点(950頃)九「緻(キフク)密かなることなほ金剛の外の物を容けぬがごとし」
④ 険阻である。けわしい。
⑤ 食べ物などの味が渋い。
※四河入海(17C前)一〇「其味森々然として苦してしかもきぶいぞ」
⑥ 酸味が強い。
⑦ けちである。
※雑俳・続耳勝手(1766)「あまいこと・きぶい客めが合点する」
[補注]「きびし」は普通シク活用であるが、古くはク活用で、この「きぶし」と関係があったか。「名語記‐六」に「きびしき事をきぶしといへる、きぶ如何。答、きふときひとは同詞也。急の字の音歟。又きびしは密の字のよみ也。そのきびしをきぶしといへるにや」とある。
きぶ‐さ
〘名〙
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