き・キ(読み)き

精選版 日本国語大辞典 「き・キ」の意味・読み・例文・類語

き【き・キ】

〘名〙 五十音図の第二行第二段(カ行イ段)に置かれ、五十音順で第七位のかな。いろは順では、第三十八位で、「さ」のあと、「ゆ」の前に位置する。現代標準語の音韻では、軟口蓋の無声破裂音 k と母音 i との結合した音節 ki にあたり、これを清音の「き」という。これに対して、「き」に濁点をつけた「ぎ」は、軟口蓋の有声破裂音 ɡ の結合した音節 ɡi に用いられるが、語頭以外において ɡi の代わりに現われる軟口蓋の通鼻破裂音 ŋ の結合した音節 ŋi にも用いられる。ɡi, ŋi を合わせて「き」の濁音といい、特に ŋi については鼻濁音の「ぎ」という。鼻濁音を特に示す必要のあるときは、濁点を一点にし、または半濁点゜を用いることがある。「き」「ぎ」はそれぞれ「ゃ・ゅ・ょ」を伴って、拗音の kja, kju, kjo; gja, gju, gjo を表わす。「き」の字形は「幾」の草体から、「キ」の字形は「幾」の草体を再び楷書化するところから出た。ローマ字では、清音に ki, kya, kyu, kyo を、濁音に gi, gya, gyu, gyo をあてる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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