くじら(鯨)座(読み)くじらざ

改訂新版 世界大百科事典 「くじら(鯨)座」の意味・わかりやすい解説

くじら(鯨)座 (くじらざ)
Cetus

略号Cet。南天の大星座ギリシア神話では,エチオピアの海岸でアンドロメダ姫におそいかかる化物の海獣であるが,星空にその姿をとらえるのはむずかしい。東端の星はα星メンカル(鼻),西端の星はβ星デネブ・カイトス(鯨の尾)でこの星座の領域をくぎる。α星は2.8等,スペクトル型M2,130光年の距離にある。β星は2.1等,スペクトル型K0,64光年の距離にある。いずれも赤い色をしている。星座中央にあるο星ミラは周期約331日,光度は3等から9等くらいまで変わる長周期変光星で,太陽の数百倍の半径を変化させ,膨張収縮を続けて変光する。極大光度も極小光度も確定しておらず,3等まで明るくならずに,また暗くなることもあり,肉眼視界から消えていることが多い。ほかにフレア星で知られるくじら座UV星,半規則変光星のくじら座T星,渦巻銀河M77などがある。概略位置は赤経1h45m,赤緯-12°。午後8時の南中は12月中旬。
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百科事典マイペディア 「くじら(鯨)座」の意味・わかりやすい解説

くじら(鯨)座【くじらざ】

12月ごろ南の中天に見える大星座。長周期変光星ミラを含む。ギリシア神話でアンドロメダをのもうとした海魔を象徴

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