けつかる(読み)ケツカル

デジタル大辞泉 「けつかる」の意味・読み・例文・類語

けつか・る

[動ラ五(四)]
「居る」「ある」などのぞんざいな言い方。人の動作を卑しめていう。いやがる。
「おいらが仲間におのれがやうな奴が―・るが、唐人組の名折れぢゃ」〈伎・韓人漢文〉
補助動詞動詞連用形接続助詞「て」を添えた形に付いて、上の動詞の示す動作を卑しめていう。…ていやがる。
「かかあ。平気で寝て―・る」〈鴎外

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「けつかる」の意味・読み・例文・類語

けつか・る

〘自ラ四〙
[一] 「居る」「有る」また「行く」「言う」などを卑しめていう語。
※評判記・蓑張草(1691)序「順礼等は、敷に及ばず、あら莚え、けつかり」
[二] 補助動詞として用いる。動詞の連用形、または、動詞に助詞「て」のついたものに接続し、上の動詞の示す動作を卑しめていう。
浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)上「それほど見たくは近くへよって見られに来た、サァ我がぞんぶんに見けつかれ」
[語誌](1)(二)の場合は、挙例の浄瑠璃「心中二枚絵草紙」のように、近世前半では、語幹が一拍の一段活用動詞に接続する用法が多く見えるが、近世後期に入ると安永五年(一七七六)京刊「洒落本・無論里問答‐下」の「どのあごたでいひけつかった」のように一段活用以外の動詞にも接続するようになる。
(2)時期を同じくして、(一)の用法にも広がりが見られ、「居る」「有る」のほか「行く」「言う」の意の卑語としての用法も見られるようになる。

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