さがない(読み)サガナイ

デジタル大辞泉 「さがない」の意味・読み・例文・類語

さが‐な・い

[形][文]さがな・し[ク]
口さがない」に同じ。「―・い世間の噂にのぼる」
性格が悪い。意地が悪い。
「すこし御心―・く御ものうらみなどせさせ給ふやうにぞ」〈大鏡師輔
やんちゃである。いたずらである。
姫君は今よりいと―・く、をさをさうちにも物し給はず」〈とりかへばや・一〉
[類語]悪い悪辣奸悪邪悪奸佞陰険性悪悪性俗悪凶悪極悪罪悪悪徳背徳悪行悪事悪逆巨悪諸悪暴悪卑劣陋劣ろうれつ狡猾こうかつよこしま腹黒い腹汚い悪賢いずる賢い小賢しいずるいこすいこすっからいあくどいさかしいさかしら老獪人悪い人が悪い人悪口さがない悪たれ悪たれる意地悪い意地悪邪慳突っ慳貪けんけんつんけんとげとげしいつんつん素気無すげなそっけないつれないよそよそしいにべないけんもほろろ冷たい気がないぎすぎすぶっきらぼう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「さがない」の意味・読み・例文・類語

さが‐な・い

〘形口〙 さがな・し 〘形ク〙
① 性格がよくない。ひねくれて、いじわるで、手におえない。
伊勢物語(10C前)一五「女、かぎりなくめでたしと思へど、さるさがなきえびす心を見ては、いかがはせんは」
② (多く「物言ひさがなし」「口さがなし」などの形で) 物言いに穏当さを欠く。口が悪い。口やかましい。おしゃべりである。
源氏(1001‐14頃)末摘花「著給へる物どもをさへ言ひ立つるも、物言ひさがなきやうなれど」
浮世草子武家義理物語(1688)五「入縁を取べき願ひなるに、世間のさがなく」
③ いたずらだ。やんちゃだ。
※源氏(1001‐14頃)横笛三の宮こそいとさがなくおはすれ」
④ 「悪い」意の女房詞
※東大本女中詞(旧黒川家蔵)(17C)「さかなき あしき事」
さがな‐げ
〘形動〙
さがな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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