精選版 日本国語大辞典 「猿股」の意味・読み・例文・類語
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股下に襠(まち)をいれてたっぷりさせた,パンツ形式の丈の短い男性用下ばき。男性の下ばきは,時代や身分によって犢鼻褌(たふさぎ),下袴(したのはかま)と呼ばれる股のあるものと,下帯,褌(ふんどし)などと呼ばれる布を巻く形式があった。明治以降,洋装への転化によってそれまでの褌からさるまたへと一般化した。語源は明治時代にできた言葉で,マタシャレという袴の一種を逆さに言ったという説と,一部の地方で使われていたキャルマタという言葉から出たという説があるが,猿股引(さるももひき)の略語としてすでに江戸時代に使われていた。猿股引は防寒や労働のための各種の股引のなかで,膝下1~2寸ほどの最も短いもの。猿回しのサルにはかせたのでこの名があるという。
執筆者:山下 悦子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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