さんにんかたわ

精選版 日本国語大辞典 「さんにんかたわ」の意味・読み・例文・類語

さんにんかたわ ‥かたは【三人片輪

[1]
[一] (「さんにんがたわ」とも) 狂言。各流。博打(ばくち)に負けた三人の男が、それぞれ、にせの盲人聾唖(ろうあ)などになって有徳人を訪れ、順々に召しかかえられる。主人の留守に、三人が預かった酒蔵の酒を盗み、大いに飲んで謡い舞ううちに主人が帰宅し、すっかりあわて、にせの役柄を互いにとりちがえて逃げ出す。
[二] 歌舞伎所作事。常磐津・長唄。竹柴其水(きすい)作詞。岸沢古式部作曲。初世花柳寿輔振付。明治三一年(一八九八)東京明治座初演。(一)に取材したもの。口の利けない男を女にかえ、腰元を二人登場させて、歌舞伎的な色彩を加えたにぎやかな曲。昭和一二年(一九三七)、義太夫節に作曲し、文楽でも行なわれる。
[2] 〘名〙 目、足、鼻に不自由な部分を持った三人が、自分の欠点を機知で隠そうとする笑話。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android