しおらしい

精選版 日本国語大辞典 「しおらしい」の意味・読み・例文・類語

しお‐らし・い しほ‥

〘形口〙 しほらし 〘形シク〙 (「らしい」は接尾語)
① 上品で優美な様子である。
※禅鳳雑談(1513頃)上「謡はすげなく候ては悪しく候。匂ひの候て、しほら敷、ぼけやかなるがよく候」
② ひかえめで従順な様子である。
※応永本論語抄(1420)雍也第六「祝はしをらしき者にて、弁舌あり」
③ かわいらしい。可憐(かれん)である。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※虎明本狂言・枕物狂(室町末‐近世初)「ゑくぼが、両のほに、七八十百ばかりいって、ようあらしほらしやと思ふて」
④ けなげな様子である。感心である。殊勝である。相手を見くびっていうこともある。
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)二「ヤアがきも人数、しほらしい事ほざいたり」
しおらし‐げ
〘形動〙
しおらし‐さ
〘名〙
しおらし‐み
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「しおらしい」の意味・読み・例文・類語

しおらし・い〔しをらしい〕

[形][文]しをら・し[シク]《「しお(萎)れる」の形容詞化か》
控えめで従順である。慎み深く、いじらしい。「お見合いの席で―・く振る舞う」
かわいらしい。可憐である。「岩陰小花が―・く咲く」
けなげである。殊勝である。「いつもは腕白な子が―・いことを言う」
上品で優美である。
紙幣いくらか取出して小菊の紙に―・く包みて」〈一葉十三夜
(反語的に)こなまいきで、かんにさわるさま。こざかしい。
「―・しき有財餓鬼うざいがき、この世のいとま取らさん」〈浄・廿四孝
[派生]しおらしげ[形動]しおらしさ[名]
[類語](2しとやか可愛い可愛らしい愛おしい愛しい愛らしい愛くるしい愛愛しいあどけないいじらしいめんこい可憐かれんキュートいたいけほほえましいほおえましいほのぼのほんわか愛嬌あいきょう愛想あいそなごむなごやか憎めないチャーミング癒やし系癒やすラブリーがんぜないいとけない/(4みやびやか優雅優美みやび高雅典雅風雅優形やさがた上品ゆかしい奥ゆかしいしとやかたおやか女性的エレガントドレッシー婉麗えんれい優優典麗麗しい静淑優婉閑雅婉然楚楚そそ窈窕ようちょう端麗温雅物柔らか気高い気品雅趣高尚つつましいつつましやか清雅高踏雅致﨟長ろうたける雅びる端雅都雅やんごとない高貴

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