しし(獅子)座(読み)ししざ

改訂新版 世界大百科事典 「しし(獅子)座」の意味・わかりやすい解説

しし(獅子)座 (ししざ)
Leo

略号Leo。春の大星座で,黄道十二宮の一つ。獅子大鎌と呼ばれる疑問符号をうらがえしにした形の頭部と三角形の尾部とが,ギリシア神話に登場するネメアの荒獅子の姿を描く。これは英雄ヘラクレスがエウリュステウス王から課せられた12の難行の一つで,巨人は格闘の末にこの獅子の首をしめて殺し,生皮をはいで肩にかけた。α星のレグルスは光度1.4等,スペクトル型B7の白色の星で,その名はラテン語の王rexに由来する。β星は2.1等,スペクトル型A3で,三角形の後端に輝き,その名デネボラはアラビア語の尾という意味である。またこの天域には渦巻銀河が多く,M65,M66はともにSb型,M96はSa型,NGC2903はSc型で,また楕円銀河NGC3379,棒渦巻銀河M95がある。概略位置は赤経10h30m,赤緯+15°。午後8時の南中は4月下旬である。
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百科事典マイペディア 「しし(獅子)座」の意味・わかりやすい解説

しし(獅子)座【ししざ】

4月下旬の夕方南天に高く見える星座。α星はレグルス。頭部に当たる右半分を〈しし座の大鎌〉といい,その中のγ星しし座流星群放射点。十二宮の第5宮。ギリシア神話でヘラクレスが殺したライオン象徴

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世界大百科事典(旧版)内のしし(獅子)座の言及

【獅子座三十二話】より

…《パンチャタントラ》《屍鬼二十五話》と並ぶ,インドの代表的な説話集。原題は《シンハーサナ・ドバートリンシカーSiṃhāsanadvātriṃśikā》。《ビクラマ・チャリタVikramcarita(ビクラマ王の行動)》とも呼ばれている。名君ビクラマ・アーディティヤ王は,インドラ神(帝釈天)から32個の女人像で飾られた玉座(獅子座)を授けられる。王が戦死した後,ダーラーのボージャ王は玉座を発見し,その上に座ろうとすると,女人像の一つが,〈ビクラマ王と同様の勇気をそなえていないならば,玉座に座ってはならぬ〉と告げ,ビクラマ王の勇気ある行動を物語る。…

【しし座流星群(獅子座流星群)】より

…明るい流星が多く,末端でしばしば爆発をする。放射点はしし座で赤経150゜,赤緯+22゜。母すい星はテンペル‐タットルすい星。…

【ライオン】より

…ドラゴン(竜)とも敵どうしで,両者が戦えば相打ちになる。 古代エジプトでは,太陽がしし座にはいる8月にナイル川の増水が始まるため,泉や水源にライオンの頭を模した彫刻を飾った。この風習がギリシア・ローマに伝わり,口から水を吐くライオンの意匠が浴場などに使われるようになった。…

※「しし(獅子)座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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