化学辞典 第2版 「すい臓ホルモン」の解説
すい臓ホルモン
スイゾウホルモン
pancreatic hormone
膵臓のランゲルハンス島でつくられるホルモンの総称.インスリン(末梢組織へのグルコースの取り込みを促進し,結果的に血中グルコース濃度を下げる),グルカゴン(インスリンとは逆に血中濃度を上げる),ソマトスタチン(AGCKNFFWKTFTSC,Cys3-Cys14),膵臓ポリペプチドpancreatic polypeptide(PP)が含まれる.ソマトスタチンは脳内の視床下部からも分泌され,成長ホルモン,インスリン,グルカゴン,セクレチンなどの分泌を抑制する.PPは36個のアミノ酸残基APLEPVYPGDDATPEQMAEYAADLRRYINMLTRPRY-NH2(1文字記号はアミノ酸の項を参照)からなり,グルカゴン様のグリコーゲン分解促進作用を有するが,血中のグルコース濃度の調節にはあまり関与しない.PPは消化酵素トリプシンの分泌を抑える.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報