すくすくし(読み)スクスクシ

デジタル大辞泉 「すくすくし」の意味・読み・例文・類語

すくすく・し

[形シク]
堅苦しい。きまじめである。
「内の御心、いとめでたくあるべかしく―・しうさへありて」〈栄花・暮待つ星〉
無愛想である。
「いかなるまめ人にかあらむ、―・しうさしあゆみて往ぬるもあれば」〈七七
[補説]「すぐすぐし」「すくずくし」ともするが、清濁は不明。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「すくすくし」の意味・読み・例文・類語

すくすく‐

〘形シク〙 (「すくむ」「すくよか」「きすく」などの「すく」と同根か) よかれあしかれ、風流さ・優美さ・やさしさ・思いやりなどのないさまをいう。きまじめである。あだめいたところがない。そっけない。情にこわい。無風流である。おもしろみがない。
※枕(10C終)七七「此の度は今すこしをかしきに、いかなるまめ人にかあらん、すくすくしうさしあゆみて往ぬるもあれば」
源氏(1001‐14頃)帚木「常は、いと、すくすくしく、心づきなしと、思ひあなづりつる伊予の方のみ思ひやられて」
[補注](1)「直」をあてて「すぐすぐし」と濁る説もあるが、「直」を「すぐ」と読むのは中世以降なので、無理であろうといわれる。
(2)「すく」はそっけなくて生硬なさまをいう。「すくすくし」の用例は「源氏物語」に多く見られ、物の言い方、動作仕方、人間の態度や性格、紙の質などに用いられている。

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