すし(鮓/鮨)(読み)すし

百科事典マイペディア 「すし(鮓/鮨)」の意味・わかりやすい解説

すし(鮓/鮨)【すし】

寿司とも書く。女房詞(にょうぼうことば)では〈すもじ〉。酸味の飯に魚菜(具)を配した料理。古くは魚介類を塩漬し発酵させた食品であったが,16世紀末ごろから発酵を早めるために飯を加えた。やがて飯もともに食するなれずし(熟鮨)が発達(滋賀県のフナ鮨など)。17世紀ごろから酢を飯に加え魚介類とで即製する早鮨(はやずし)が起こり,京阪地方では押鮨がもてはやされた。現在も大阪鮨として知られる。19世紀初期に江戸では新鮮な魚介を種(たね)にしたにぎり鮨が始まり,鮨を代表するようになった。 鮨にはこのほか製法により,巻鮨ではのり巻,鉄火巻,伊達(だて)巻鮨などが,包み鮨として稲荷(いなり)鮨,茶巾(ちゃきん)鮨(薄焼の卵で包む)などがあり,具と飯を合わせた混ぜ鮨,五目鮨,ばら鮨,暖める蒸し鮨(ぬく鮨),具を上に飾りのせるちらし鮨などもある。材料によって,はたはた鮨,ます鮨,かに鮨,いか鮨,あゆ鮨など地方名物が多く,材料の形をくずさずにつくる姿鮨も多い。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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