(読み)タガネ

デジタル大辞泉 「鏨」の意味・読み・例文・類語

たがね【×鏨/×鑽】

金属切断したり削ったりするのに用いる鋼鉄製の手工具木工に用いるのみにあたる。丸・角・平などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「鏨」の意味・わかりやすい解説

鏨 (たがね)
chisel

ハンマーの打撃作用によって金属や岩石を削る,いわゆる“はつり作業”に用いられる刃物。木工用ののみ(鑿)に当たるものといえる。切断や平面のはつりには平たがねを用い,荒削りやみぞ切りには友たがね(烏帽子たがね)を用いる(図)。刃をあてる角度は重要な要素で,鋼材には60~70度,黄銅青銅,鋳鉄には40~60度,ホワイトメタルには30度内外とする。なお,リベットのかしめ,機械加工できないかど部,すみ部,非対称部の彫込みなどに用いるものをコーキングたがねと呼んでいる。
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百科事典マイペディア 「鏨」の意味・わかりやすい解説

鏨【たがね】

金属の切断,岩石の穿孔(せんこう)等に使用される鋼製の工具。先端に刃形をもち,後部をハンマーでたたく。刃形の平形の平鏨,円形の丸鏨等がある。
→関連項目金工具

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鏨」の意味・わかりやすい解説


たがね

工具の一種。木工用の (のみ) に似たもので金属の加工に用いられる。ハンマーでたたきながら平面を削ったり薄い材料を切断したりする平鏨,溝や穴を削る烏帽子鏨のほか,特殊な細工用鏨など種類が多い。また古墳時代の短冊状の鉄斧を「たがね」と呼ぶが,これは木工具の一種で,伐採や物を打割るときに用いられたと思われる。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【のみ(鑿)】より

…木材や石材などに穴をうがち,また材面を削ったりする工具の総称だが,金工や石工で用いるものは鏨(たがね)という(図)。鑿は斧とともにもっとも古くから用いられた工具で,縄文時代のくり舟などの工作には鑿状石器が使われ,弥生時代にはいち早く鉄器化した。…

※「鏨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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