ちまう

精選版 日本国語大辞典 「ちまう」の意味・読み・例文・類語

ちま・う ちまふ

連語助詞「て」に動詞「しまう」の付いた「てしまう」の変化したもの。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「十日も経たない内にもう使用(つか)っちまって」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇「どうも驚ろいちまふわ」
[語誌](1)もと「(驚い)てしまう」「(当た)ってしまう」のtの破裂が「し」まで持ちこされて、「(驚い)っちまう」「(当た)っちまう」の形になったのが、「驚く」「消す」「忘れる」など連用形語尾が促音にならないものの場合、「っ」を落として連用形が直接「ちまう」に続くようになった。これは、「(飛)んでしまう」が初めから「(と)んぢまう」になったのにあわせて、「っ」がもっぱら「当たる」「行く」などの促音語尾と考えられたためと思われる。
(2)「ちまう」はさらにつづまって「ちゃう」にもなった。なお、関西では「てしまう」の「し」の摩擦を略した「てまう」の形が見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ちまう」の意味・読み・例文・類語

ちま・う〔ちまふ〕

[連語]接続助詞「て」に動詞「しまう」の付いた「てしまう」の音変化》「しまう6」に同じ。「忘れ―・う」「取っ―・った」「捨て―・え」→ちゃう

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