ちょろまかす(読み)チョロマカス

デジタル大辞泉 「ちょろまかす」の意味・読み・例文・類語

ちょろまか・す

[動サ五(四)]
人の目をごまかして盗む。また、数量金額をごまかして、もうける。「店の売り上げを―・す」
言いのがれを言ってその場をごまかす。
「我々には始めた分にしておけなどと、こちらを―・すのではないか」〈浮・禁短気・五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ちょろまかす」の意味・読み・例文・類語

ちょろまか・す

〘他サ五(四)〙
① 一時のがれのうそを言って、その場をごまかす。言いまぎらわしたり、だましたりする。
※浮世草子・好色盛衰記(1688)三「ちょろまかすといふ時花(はやり)言葉も是おかし。西南ふたつの色所より、役者・末社のいひ出して、一座の興にもなるぞかし。罪にならざる当座の偽を、まぎらかすといへる替詞と聞えたり」
② 人の目をごまかして物を盗む。かすめ取る。ごまかし取る。
※浮世草子・西鶴置土産(1693)一「むかし残りてさもしき心にて紙一枚、ちょろまかすといふ事なし」
③ 女をだまして肉体関係を結ぶ。女をたらす。女を誘惑する。
浄瑠璃猿丸太夫鹿巻毫(1736)三「沢といふ妼、大宮司のねそ殿がいつの間にやらちょろまかし、腹がれこさ」
[語誌]江戸初期の京都の遊里(島原・伏見)での流行語。擬態語「ちょろ」に接尾語「めかす」が付いたのなら「ちょろめかす」となるはずであるが、中近世には、だますを意味する語として「まぎらかす」「たるまかす」「だまかす」「ごまかす」など「…かす」「…まかす」の形をとるものが多く、恐らく、この形への類推によって「ちょろまかす」の形が生じたものと思われる。

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