ち・チ(読み)ち

精選版 日本国語大辞典 「ち・チ」の意味・読み・例文・類語

ち【ち・チ】

〘名〙 五十音図の第四行第二段(タ行イ段)に置かれ、五十音順で第十七位のかな。いろは順では第八位で、「と」のあと「り」の前に位置する。現代標準語の音韻では、舌先と硬口蓋との間で調音される無声破擦音 tʃ と母音 i との結合した音節 tʃi にあたり、これを清音の「ち」という。これに対して、「ち」に濁点をつけた「ぢ」は、tʃ と同じ調音点における有声破擦音 dʒ と母音 i との結合した音節 dʒi にあてられる。これを「ち」の濁音という。ただし、標準語では dʒi は破裂を伴わない ʒi と全く混同されており、「ぢ」と「じ」との間に発音上の区別はない。「ち」「ぢ」はそれぞれ「ゃ・ゅ・ょ」を伴って拗音の tʃa, tʃu, tʃo; ʒa, ʒu, ʒo を表わす。「ち」の字形は「知」の草体から出たもの、「チ」は「千」を用いたものである。ローマ字では、「ローマ字のつづり方」(昭和二九年内閣告示)に、第一表に ti tya tyu tyo(濁音は zi zya zyu zyo)をあげ、第二表にいわゆるヘボン式の cha chi chu cho・ja ji ju jo と、いわゆる日本式の di dya dyu dyo とをあげている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android