ぬえ(鵼∥鵺)(読み)ぬえ

世界大百科事典 第2版の解説

ぬえ【ぬえ(鵼∥鵺)】

(1)トラツグミの方言。ヌイ,ヌエツグミ,ヌエドリオニツグミ,チョウマンなどとも呼ばれ,雪どけころから5,6月ころに陰気な声で夜鳴くことから,古来,不吉で無気味な鳥とされてきた。《万葉集》巻一には〈……むらきもの 心を痛み ぬえ子鳥 うらなけをれば……〉と歌われ,《堤中納言物語》にも〈ぬえの鳴きつるにやあらむ,忌むなるものを〉とある。現在もヌエが鳴くと死者が出るとか火事が出るといい,変事をつげるものとされている。

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世界大百科事典内のぬえ(鵼∥鵺)の言及

【トラツグミ(虎鶫)】より

…スズメ目ヒタキ科の鳥(イラスト)。全長約30cm,日本のツグミ類中では最大。体上面は黄褐色地に黒色の三日月斑が多数あり,のどから腹にかけては汚白色地に黒色の三日月斑が散在している。翼の裏側には白色と黒色の太い横帯があり,飛んだときによく目だつ。シベリアから東南アジア,オーストラリアにかけて広く分布し,日本では北海道から九州までの各地に漂鳥として生息する。低木層がよく茂った暗い林に好んですみ,林内にすみついていることが多いので姿を見かけるのは比較的少ない。…

【源頼政】より

…三位昇進について《平家物語》は〈のほるへきたより無れは木の本にしゐをひろひて世を渡る哉(かな)〉の一首が清盛の目にとまり,頼政を哀れと思って三位に推したとする。また武人として朝廷警固に当たっているとき,仁平年間(1151‐54),応保年間(1161‐63)の両度にわたり鵺(ぬえ)を退治して天皇の病を治したという。さらに挙兵の動機については,頼政子息仲綱の名馬を平宗盛が所望したことに端を発すると説明している。…

※「ぬえ(鵼∥鵺)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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