ねこ流し(読み)ねこながし(英語表記)sluicing

改訂新版 世界大百科事典 「ねこ流し」の意味・わかりやすい解説

ねこ流し (ねこながし)
sluicing

細かな凹凸のある底面をもって緩く傾斜したとい(樋)に,細かく粉砕された鉱石を水とともに流すことによって比重選別を行う方法。といは幅1~3m,長さ3~15m,深さ0.1~0.15mほどで,1/6~1/12ほどの傾斜で設置される。といの底面には粗目のむしろ(〈ねこ〉あるいは〈ねこだ〉ともいい,ねこ流しの名はここからついた),キャンバス,うねのあるコーデュロイフェルトなどを張るか,砂セメントなどで適当な粗度に仕上げられる。ここに粉砕された鉱石を5~20倍量の水とともに供給し,流下させるとその乱流の効果によって,鉱石中に含まれる高比重で細かい粒子が選択的に沈積し,捕捉(ほそく)される。ある時間鉱石を流した後で流れを止め,底面にたまった重鉱物粒子を回収する。金,スズなどの湿式比重選鉱法として現在も一部で使われている。原始的ながら効果のある選鉱技術である。
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百科事典マイペディア 「ねこ流し」の意味・わかりやすい解説

ねこ流し【ねこながし】

選鉱法の一つ。底にむしろ(ねこ,ねこだと呼ぶ)などを張った幅の広い樋(とい)に砂状鉱石を水とともに繰り返し流下させ,比重の小さい脈石を流し去り,目的鉱物を底に堆積させる方法。古くから行われてきた原始的な比重選鉱法で,砂金砂鉄などの採取に用いられた。
→関連項目砂金

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ねこ流し」の意味・わかりやすい解説

ねこ流し
ねこながし

樋流し法」のページをご覧ください。

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