[結晶のへき開]
結晶に機械的な力を加えると特定の結晶学的な面に沿って割れ,平滑な面が出現することがある。この現象をへき開といい,出現した面をへき開面と呼ぶ。これは脆性(ぜいせい)破壊であり,へき開しやすい結晶はもろい。へき開面は結晶を構成する原子の配列で規定されていて,原子密度が高い面が通常へき開面となる。結晶構造が同一である結晶間では,へき開面も同じ結晶面となる。へき開の程度には雲母や石墨や方解石のように,完全で明瞭なものから,水晶やザクロ石のように,ほとんどへき開しないものまである。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
世界大百科事典内のへき開(劈開)の言及
【卵割】より
…多細胞動物の受精卵が行うやつぎばやの細胞分裂の過程。受精の結果として生ずる受精卵は1個の巨大細胞であり,これがひたすらDNA合成と細胞分裂を繰り返すことによって,多数の正常な大きさの細胞を生じ,個体発生の基本となる多細胞環境を短時間のうちにつくりだす。 卵の細胞質には,あらかじめ卵割期およびその後の形態形成の過程を維持するためのエネルギーや情報が大量に蓄えられており,新たな細胞質の合成は卵割期を通じてほとんど行われない。…
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