ほくそ笑(読み)ほくそえむ

精選版 日本国語大辞典 「ほくそ笑」の意味・読み・例文・類語

ほくそ‐え・む ‥ゑむ【ほくそ笑】

〘自マ五(四)〙 控えめにかすかに笑う。満足そうにほほえむ。また、一人悦に入って笑う。ほくそわらう。
源平盛衰記(14C前)一九「文覚ほくそ咲(ヱミ)て」
[補注]「ほくそ」は、北叟すなわち塞翁(さいおう)のことで、「塞翁が馬」の故事のように世の無常を達観し、喜憂・善悪いずれにつけても少し笑う「北叟笑い」からとする説〔妻鏡壒嚢鈔〕があり、「北叟」の字をあてる。→ほくそわらい

ほくそ‐わら・う ‥わらふ【ほくそ笑】

〘自ハ四〙 =ほくそえむ(━笑)
※源平盛衰記(14C前)一二「左(と)も右(かく)も御計(はからひ)に随ひ奉べしとて、ほくそ咲(ワラヒ)て出られぬ」

ほくそ‐わらい ‥わらひ【ほくそ笑】

〘名〙 ほくそえむこと。ほくそえみ。ほくそうわらい。
※妻鏡(1300頃か)「今の人も、少しゑみたるをほくそわらひと云へるは、此北叟が事なるべし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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