もて付(読み)もてつく

精選版 日本国語大辞典 「もて付」の意味・読み・例文・類語

もて‐つ・く【もて付】

〘他カ下二〙 (「もて」は接頭語)
① 備える。もともと身につける。
※枕(10C終)一九五「我がもてつけたるをつつみなくいひたるは、あさましきわざなり」
② 欠けているものを、たしなんで身につける。
源氏(1001‐14頃)末摘花「君も少したをやぎ給へる気色、もてつけ給へり」
③ 気にかけてとりつくろう。身だしなみを整える。
※源氏(1001‐14頃)初音装束有様よりはじめて、目やすくもてつけて」
相手にする。あしらう。
浮世草子・国花諸士鑑(1714)二「かつてちかづきならぬよし家来にいはせてもてつけぬしわざ」

もて‐つけ【もて付】

〘名〙 とりつくろうこと。ふるまい。みだしなみ。
紫式部日記(1010頃か)消息文「もてつけ、おのづから知り好む所となりぬれば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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