ものの

精選版 日本国語大辞典 「ものの」の意味・読み・例文・類語

もの‐の

〘接助〙 (名詞「もの」に格助詞「の」の付いてできたもの) 活用語連体形を受け、逆接を表わす。…ものではあるけれど。
古今(905‐914)恋四・七一六「うつせみの世の人言の繁ければ忘れぬ物の離(か)れぬべらなり〈よみ人しらず〉」
蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉一四「要は多少迷惑には感ずるものの、殊更それを避けようとするほど気が重なりもしない」
[補注]この語は平安時代と江戸時代以降に見られ、中世にはほとんど見られないので、後者前者を受けついだものか否か、断言はしがたい。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ものの」の意味・読み・例文・類語

ものの[接助]

[接助]形式名詞「もの」+格助詞「の」から》活用語の連体形に付く。逆接の確定条件を表す。…けれども。…とはいえ。「習いはしたものの、すっかり忘れてしまった」「新機軸を打ち出したものの採用はされなかった」
「をかしき―、さすがにあはれと聞き給ふ節もあり」〈・明石〉
[補説]現代語で「ものの」は、「とはいうものの」「いいような(よかった)ものの」などの形で慣用的に用いられることが多い。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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