ゆうパック(読み)ゆうぱっく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゆうパック」の意味・わかりやすい解説

ゆうパック
ゆうぱっく

日本郵便が扱う宅配便を全国に届けるサービス。旧日本郵政公社が1987年(昭和62)から小包郵便物愛称「ゆうパック」として使用し、2007年(平成19)の郵政民営化後に正式名となった。法的には郵便法ではなく、貨物自動車運送事業法の「宅配便貨物」である。原則、重さ25キログラム以下、長さ・幅・厚さの合計が1.7メートル以内の荷物を対象とする。料金は長さ・幅・厚さの合計と運送距離で決まる。紛失や破損した場合、通常30万円までの実損額が賠償される。無料で配達日や「午前中」「正午から14時ごろ」といった大体の配達時間帯を指定希望できるほか、荷物の配送状況をネット上で追跡確認できる。割引サービスとして、事業所の郵便窓口に持ち込む持ち込み割引(1個につき120円割引)、1年以内に同一の宛先(あてさき)に送る同一宛先割引(1個につき60円割引)、同一宛先に2個以上の荷物を送る複数口割引(1個につき60円割引)などがある。その他の有料サービスとして、保冷物の「チルドゆうパック」「ゴルフゆうパック」「スキーゆうパック」、損害賠償額を50万円に引き上げるセキュリティサービス、空港で荷物を受け取る「空港ゆうパック」、重さ25キログラムから30キログラムまでの「重量ゆうパック」がある。また「聴覚障がい者用ゆうパック」「点字ゆうパック」などのサービスもある。発送は郵便局、日本郵便の窓口(ゆうゆう窓口)のほか、ローソンなどのコンビニエンス・ストアでも受け付ける。2010年には日本通運の宅配便「ペリカン便」を吸収した。2017年度の取扱量は8億7588万個と過去最高を記録し、宅配便のシェアではヤマトホールディングスヤマト運輸)、SGホールディングス(佐川急便)についで業界3位である。日本郵便によって配達される荷物にはゆうパックのほか、ゆうメール(冊子小包)、レターパック(定形小包)、ゆうパケット(簡易小包)などがある。

[矢野 武 2018年12月13日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android