アカデミーフランセーズ

精選版 日本国語大辞典 「アカデミーフランセーズ」の意味・読み・例文・類語

アカデミー‐フランセーズ

〘名〙 (Académie Française) フランス学士院部門一つ。一六三五年、宰相リシュリューが創立フランス語純化統一を図り、文学語学向上目的とする。一六九四年より「アカデミー‐フランセーズ国語辞典」の編集改訂を行なっている。→アカデミー

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デジタル大辞泉 「アカデミーフランセーズ」の意味・読み・例文・類語

アカデミー‐フランセーズ(〈フランス〉Académie française)

フランス学士院を構成するアカデミーの一。1635年リシュリュー創設。フランス語の保存と純化を目的とし、1694年より「アカデミー‐フランセーズ国語辞典」の編集・改訂を主な仕事としている。

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改訂新版 世界大百科事典 「アカデミーフランセーズ」の意味・わかりやすい解説

アカデミー・フランセーズ
Académie française

フランス学士院Institut de Franceにある五つのアカデミーのうち最古のもの。1633年ごろ,詩人コンラールValentin Conrart(1603-75)の家で文芸同好会のような集りがあるのを知った宰相リシュリューが,これを公的機関に制定し,フランス語の統一と純化という文化政策の一環に組み入れようとした。同会は〈アカデミー・フランセーズ〉の名で35年に正式に発足。72年,国王ルイ14世自身が庇護者となって以来歴代の国家元首の管轄下に置かれている。会員は40名。終身制で〈不滅の40人〉と呼ばれ,フランス国籍所有者に限られ,例会出席のためパリ在住を義務づけられている。文学者に限定されないのも特徴の一つである。欠員が出ると立候補者の中から現会員が秘密投票で補充する。新会員は入会演説で前任者をたたえるならわしがある。アカデミー・フランセーズに入会することはフランス国民最高の栄誉とされているが,女性会員は1980年に選ばれたマルグリット・ユールスナールが最初である。歴史的には,18世紀後半百科全書派の牙城となり,大革命で廃止,1803年に復活後,19世紀は自由主義者とカトリック保守派の争いの場になるなど,数々の話題を提供した。現在は終身書記と行政委員会によって運営され,小説,詩,批評など120種にものぼる賞を与えている。本来の目的は,創設以来の規約にもあるように,国語辞典の編纂と文法の制定が主たる事業で《アカデミー辞典》は1694年の初版から1932年までに8版を重ね,現在第9版を準備中。文法書は1932年と33年に日の目を見るも,不評であった。当代一流の文学者を選出するはずのアカデミー・フランセーズではあるが,モリエール,ディドロ,ボードレールなどの大物を迎え入れていないところから,その保守的性格を皮肉る向きも少なくない。
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世界大百科事典(旧版)内のアカデミーフランセーズの言及

【アカデミー辞典】より

…フランス学士院Institut de Franceにおいて国語国文学の分野を担当し最古の歴史をもつアカデミー・フランセーズが,その主要な任務のひとつとして編集・発行してきた国語辞典(フランス語辞典)。初版はアカデミー発足以後60年の歳月を費やして完成し,1694年,国王ルイ14世に献じられているが,以後18~19世紀を通じてたびたび改版され(1718,1740,1762,1798,1835,1878),最後のものは1932‐35年の第8版で,現在第9版を準備中である。…

※「アカデミーフランセーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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