アシュリー(Sir William James Ashley)(読み)あしゅりー(英語表記)Sir William James Ashley

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アシュリー(Sir William James Ashley)
あしゅりー
Sir William James Ashley
(1860―1927)

イギリスの経済史家。オックスフォード大学に学び、トインビーの経済史研究に感銘、またドイツに遊学し、歴史学派から強い影響を受けて、経済学は演繹(えんえき)的な抽象的理論の構築にではなく、実証的な歴史研究に中心を置くべきだとの考えをもつようになった。1888~1892年トロント大学の経済学・法制史教授、1892~1901年ハーバード大学の初代経済史教授を歴任。この間、主著『イギリス経済史および学説序説』An Introduction to English Economic History and Theory2巻(1888~1893)を刊行し、カニンガムと並んで、イギリス経済史学成立期を代表する経済史家となる。その後帰国し、1901~1925年バーミンガム大学の初代商業学教授となり、商業教育の振興に尽くすとともに、チェンバリンの関税改革運動に加わり、また多数の政府関係委員をも務めた。1917年ナイトに叙せられ、1926年にはイギリス経済史学会初代会長に推されたが、翌年没した。

[千賀重義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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