日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アジソン(Thomas Addison)
あじそん
Thomas Addison
(1793―1860)
イギリスの医者。イングランドのニューカッスルに商人の子として生まれ、エジンバラ大学を卒業して医師となった。ロンドンのガイ病院の医員を長く勤め、診療、研究のほか、薬物学、内科学の講義を担当した。1849年に、副腎(ふくじん)疾患として、原因不明の貧血を発見し、1855年に発表したが、生前は彼の優秀な技能が認められず、好奇心をもってみられたにすぎなかった。しかし彼が死亡したあと、この貧血症の発見が高く評価され、フランスのトルッソーArmand Trousseau(1801―1867)によって「アジソン病」とよばれるようになった。そのほかの重要な研究は『アジソン業績集』として、1868年にロンドンの新シデナム協会から発刊された。
[古川 明]
[参照項目] |